味わいの違いの秘密

ワインチャートについて

GLASSBACCA CLOUDでは、ワイングラスごとにお勧めのブドウ品種について簡単なチャートを掲載しています。シャトーラフィットロートシールトのブランドアンバサダー竹村栄司氏協力のもと、ワインとグラスの相性についての調査を実施しました。

2つの基準ポイント

  1. 香り・果実味・酸・甘味・苦みのバランスが取れているかどうか
  2. その品種の個性の良い部分が引き出されているか

ワインチャート図のブドウ品種の配置は、日本の市場に出回っている品種の特徴に合わせて配置されています。
これが正解というわけではありませんが、グラスと飲み物の関係についてグラス屋の立場から考察をしたものとしてご活用下さい。

(ワインチャート図)
色がついている品種がグラスとの相性が良い品種です。
色の濃い部分は特におススメの品種です。


  



竹村栄司氏

ドメーヌ・バロン・ド・ロスチャイルド(ラフィット) ブランドアンバサダー
WSET diploma | ソムリエ(JSA認定)
ワイン商社にてチーフバイヤーを務めたのち、ロンドン留学を経てWSET LEVEL4を取得。現在は、ボルドー有名ネゴシアンのメンバーとして世界中のワインを日本の市場で販売。またシャトーラフィットロートシールトのブランドアンバサダーも務める。

グラスの選び方

GLASSBACCAではヨーロッパのグラスメーカーのグラスを中心に取り扱っています。特にワイングラスに関しては、デザイン的にも技術的にも優れたアイテムが多いのが特徴です。お店の雰囲気を演出してくれるデザイン性で選ぶのと同時に、それぞれのグラスの形がもたらす味わいへの影響も考慮することが重要です。


それぞれのワインによって味わいや風味を引き出してくれるベストグラスはそれぞれ違いますが、一般的な知識としてご覧下さい。

フルート型

泡タイプ、食前酒用。細長いシェイプが特徴です。酸味をほどよくまとめてくれるので、すっきりと飲めるタイプのグラスです。空気に触れる面積が狭く、発砲が長く持ちます。パーティーシーンなどでも活躍するグラスです。勢いよく口の奥まで飲み物が入るので、香りは立ちませんがスッキリとした味わいを楽しみたい時にお勧めのグラスです。

 

白ワインもしくは膨らみのあるスパークリンググラス

 ボディに適度な膨らみを持ち、口元に向かって少しすぼんでいるタイプのグラスです。香りを開かせた上で凝縮してくれるタイプです。口の先の方から入ってくる為、口の中で香りが膨らみ、戻り香がしっかりと楽しめるタイプです。香り豊かなスパークリングもこのタイプのグラスで楽しむことが一般的になっています。


タンニンがしっかりとした赤ワイン(ボルドータイプ)

 ボルドータイプ。ボディが大きく口元に向かってストレートに近い曲線をもつグラスです。

カベルネ・ソーヴィニョンなどしっかりとしたタンニンを持つタイプのワインの特徴をバランスよく引き出します。ボディの膨らみは香りを開かせ、口元に向かっての角度がストレート気味の為、口の真ん中辺りにスッと入ってくるグラスです。 戻り香のバランスがよいタイプです。

 

 

豊かな香りが特徴の赤ワイン(ブルゴーニュタイプ)

 ブルゴーニュタイプ。ピノ・ノワールなど果実味豊かなタイプのワインの特徴を引き出します。大きく膨らんだボディは香りを開かせ、すぼまった且つ広めの口元はワインを口の先端から広げながら運んでくれます。グラスを近づけた時に鼻腔いっぱいに広がる香りだけでなく、戻り香も存分に楽しめるタイプのグラスです。
 

脚付き(ステム)グラスの利点

ワイングラスとして一般的な脚付き(ステム)グラスですが、下記の利点があることも改めて押さえておきましょう。

ワインの温度を保つ役割

お友達とおしゃべりに夢中になり、ついついグラスに入ったワインをほったらかしにしてしまう。ふっと気づいてワインを飲むとさっきとは違って妙にクセのある味わいになっている。そんな経験が誰しもあると思います。
ワインの種類にもよりますが、スパークリングなどは6~8℃、白ワインでは8~14℃(軽め→しっかりめ)、赤ワインでは12~18℃程度(軽め→しっかりめ)と言われています。

ワインを美味しく味わう際には適温で飲むことがとても大切ですが、その温度が1℃変わるだけで味わいが変わってしまいます。(日本酒や焼酎などの多くは逆にその温度変化による香りや味わいの変化を楽しめるお酒です。)

一般的に低い温度でサーブされたワインは、グラスに入れて15分で4℃程度ワインの温度が上がってしまうと言われています。つまり15分たってしまうと全く違う味わいになってしまうと言っても過言ではないのです。

脚付き(ステム)グラスは、ワインの入っている箇所を直接持つことがないので、手の温度がワインに影響を与えることがありません。ステムグラスは見た目だけでなく、ワインをできる限り美味しい状態にキープすることに一役を買っています。


香りを開かせる役割

脚付きにすることによりボディ部分を様々な形にすることができます。
ワインのアロマを開かせる為には、スワリングがしやすい丸みのあるタイプのボディが向いていますが、丸みのあるコップタイプのグラスはまだまだ少ないのが現状です。

カジュアルにワインを楽しむ際にはコップタイプのグラスでワインを楽しみ、香りや見た目などの雰囲気も楽しむ際には脚付きタイプのワイングラスを選ぶのがおススメです。


予算とスペースの関係でどれか1つだけワイングラスを選びたい場合


GLASSBACCAではどれか1つだけワイングラスを選びたい!というお客様には、「やや小ぶりのボルドータイプのグラス」をお勧めしています。

例えばGLASSBACCAのイチオシの一つは、マロン12oz。軽めの白ワインからしっかりとした白ワインまで、若い赤ワインから濃厚な赤ワインまで、スパークリングであればしっかした味わいのスパークリングまで対応できる万能なグラスです。


グラスの形状によって味わいが左右されてしまうのがワインの面白いところではあるのですが、逆に言うとグラスの選択を間違えるとせっかくのワインの味を楽しめないこともあります。グラスを置くスペースはあまりないけれど、様々なタイプのワインを気軽にお客様に楽しんでほしい、とお考えの飲食店様にお勧めのタイプです。